研究課題/領域番号 |
12575014
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
人類学(含生理人類学)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
植田 信太郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (20143357)
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研究分担者 |
黒崎 久仁彦 東京医科大学, 医学部, 助教授 (60240701)
斎藤 成也 国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 教授 (30192587)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 古代中国 / 人類集団 / 遺伝的多様性 / 古代DNA / ミトコンドリア / 古人骨 / 黄河文明 / 殷墟 |
研究概要 |
我々は先に古代中国の黄河河口域に位置する山東省・Linziの漢代ならびに春秋時代の遺跡から出土した古人骨のDNA分析に成功し、山東省・春秋時代人類集団は中国沿岸部から朝鮮半島および日本列島に現在住んでいる東アジアのモンゴロイド系人類集団の遺伝的構成とは大きく異なること、また、山東省・漢代人類集団の遺伝的構成は春秋時代人類集団と現在同地域に住居する現代漢民族集団との中間型を示す、との重大な結果を得ることに成功した。本研究では、以上の成果をさらに発展させ、古代中国の文明ならびに政治の中心地であった中原における人類集団の遺伝的多様性を明らかにすることを目的として、河南省安陽・商代遺跡(殷墟)の発掘調査ならびに出土古人骨の収集をおこなった。中国黄河流域は黄土に覆われているが、黄土は微細粒子であるばかりでなく、乾燥時と湿潤時とでその性質は著しく異なる。このため、DNA分析の前処理として、古人骨試料にクリーニング作業を施した。前処理を終えた古人骨試料からDNAを抽出し、レジンをもちいたアフィニティークロマトグラフィーによる精製をおこなった。精製した古人骨DNAをテンプレートとし、ミトコンドリアDループ領域に関してPCR法によりDNAの増幅をおこなった。そして、増幅に成功した個体についてPCR direct-sequencing法による塩基配列の決定に成功した。以上の調査研究に加え、殷墟は商代晩期の遺跡であるが、同じく河南省の商代早期およびそれ以前(夏代)の遺跡から出土した古人骨試料の収集ならびに分析もおこなった。
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