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2002 年度 実績報告書

アフリカ大型類人猿による森林利用の季節変化と熱帯雨林の保全についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 12575017
研究機関明治学院大学

研究代表者

古市 剛史  明治学院大学, 国際学部, 教授 (20212194)

研究分担者 橋本 千絵  京都大学, 霊長類研究所, 教務補佐員
伊谷 原一  林原生物化学研究所, 類人猿研究センター, 所長
金森 正臣  愛知教育大学, 教育学部, 教授 (70015585)
キーワード熱帯雨林 / 熱帯乾燥林 / 果実生産 / 季節変化 / 植生利用 / 森林保全 / チンパンジー / ボノボ
研究概要

ウガンダ・カリンズ森林のチンパンジーについては、調査対象集団の全域をカバーするライントランセクトを新たに設定し、年間を通した果実生産量のデータを収集した。また、GPSを用いてチンパンジーの遊動ルートを記録しながら、遊動パーティの個体数、利用した食物パッチの大きさ各食物パッチでの滞在時間のデータを収集した。DNA分析では、尿から抽出したサンプルによる性判別の新しい方法を論文にまとめた。エコツーリズムの導入による森林保全については、ガイドの養成や観察路の整備を行い、本年3月からの実施にこぎつけた。また、各植生ごとの霊長類との遭遇頻度についてのデータを収集し、エコツーリズムが動物生態系に与える影響のモニターリング調査の準備を整えた。
タンザニア・ウガラ丘陵のチンパンジーについては、昨年度に引き続いて乾季と雨季の2回調査を行い、植生調査、ネスト調査、糞や食痕などの間接証拠の収集、直接観察などを行った。今年度の研究では、乾季と雨季のそれぞれにおける採食地と泊まり場の使い分けについての新たな所見が得られ、チンパンジーの環境適応や東アフリカの乾燥地帯における初期人類の生活形態を考えるための貴重な資料となった。
コンゴ民主共和国のボノボについては、内戦のため長らくデータの収集を行えなかったが、今年度はコンゴ人共同研究者の協力を得て、遊動ルートと遊動パーティの個体数、利用食物などのデータを6年ぶりに収集することができた。
以上の熱帯雨林、熱帯雨林辺縁部の常緑林、乾燥疎開林3カ所で得られたデータを比較分析することにより、Pan属の類人猿における、食物の量や分布の季節変化と遊動様式や集団構造との関係について分析した。

  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] Furuichi, T.: "Why female bonobos have a lower copulation rate during estrus than chimpanzees."In Boesch, C., Hohmann, G., Marchant, L. (eds.), Behavioral Diversity of Chimpanzees and Bonobos, Cambridge Univ. Press.. 156-167 (2002)

  • [文献書誌] 古市剛史: "ヒト上科の社会構造の進化の再検討:食物の分布と発情性比に着目して"霊長類研究. 18巻2号. 187-201 (2002)

  • [文献書誌] 古市剛史: "ネストカウント法による類人猿の密度推定"霊長類研究. 18巻3号. 300-305 (2002)

  • [文献書誌] 橋本千絵: "フィールドにおけるDNA試料の採集法"霊長類研究. 18巻3号. 311-313 (2002)

  • [文献書誌] 橋本千絵: "パーティサイズの定義とその選び方"霊長類研究. 18巻3号. 320-325 (2002)

  • [文献書誌] Hashimoto, C.: "How fruit abundance affects the chimpanzee party size? A comparison between four study sites."Primates. (印刷中).

  • [文献書誌] 伊谷原一: "ボノボの単位集団:集団間の遭遇事例から"霊長類研究. (印刷中).

  • [文献書誌] 橋本千絵: "ウガンダ・カリンズ森林の野生チンパンジーに見られた高頻度の交尾について"霊長類研究. (印刷中).

  • [文献書誌] 加納隆至, 黒田末寿, 橋本千絵編著: "アフリカを歩く-フィールドノートの余白に"以文社. 412 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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