研究課題/領域番号 |
12575018
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岩間 和人 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (70144219)
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研究分担者 |
王 秀峰 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (30301873)
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キーワード | 乾物生産 / 気孔 / 光合成速度 / コムギ / CO_2増加 / 窒素濃度 / チベット高原 / 中国 |
研究概要 |
チベットの特異的な環境条件下での作物の光合成と物質生産の実態を調査すること、また現在予想されている地球規模でのCO_2濃度及び気温の上昇の影響を明らかにする目的で、中国科学院ラサ農業生態試験所の圃場で研究を行った。 当初の計画では、CO_2発生装置を中国側研究者が用意し、12年度からCO_2付加実験を行う予定であったが、中国側の予定していた装置ではCO_2と同時に硫黄や窒素酸化物が大量に発生し、作物を正常に成育させることが不可能であることが判明したため、12年度の配当費用を用いて日本でCO_2発生装置(ネポン社製)を購入した。13年度の4月下旬にラサに搬入し、現地でCO_2発生装置を組み立て、圃場に設置した。また現地の資材を用いてチャンバー(3m×3m×高さ2m)を12個作成し、CO_2付加チャンバー(CO_2と気温が上昇)、CO_2無付加チャンバー(気温のみ上昇)、チャンバー外(現地環境)の3条件下で春コムギのチベット在来品種を栽培した。5〜9月の期間に、研究協力者として大学院博士課程の学生1名を試験所に常駐させ、持参した光合成蒸散測定装置(LI6400、ライカ社製)を用いて光合成速度を測定するとともに、葉の葉緑素値、群落の光吸収量、葉面積、乾物重などのデータを得た。これらの測定には中国側共同研究者も積極的に参加した。なお、チャンバーに隣接した圃場において冬コムギ、春コムギ、トウモロコシおよびバレイショのチベット在来品種と日本育成品種を栽培し、これらについても同様の測定を行った。10月上旬に岩間と王がラサ農業生態試験所を再訪し、大学院学生とともに収量調査を行った。また、中国側共同研究者と今後の成果の発表方法や次年度以降の計画を相談した。中国側研究者からは本共同研究が大成功であったとの評価が述べられ、次年度以降の研究継続を強く求められた。
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