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2000 年度 実績報告書

新規好冷菌の探索と有用酵素の開発

研究課題

研究課題/領域番号 12575019
研究機関京都大学

研究代表者

江崎 信芳  京都大学, 化学研究所, 教授 (50135597)

研究分担者 栗原 達夫  京都大学, 化学研究所, 助手 (70243087)
吉村 徹  京都大学, 化学研究所, 助教授 (70182821)
キーワード低温菌 / 好冷菌 / 好冷酵素 / リパーゼ / プロテアーゼ
研究概要

低温菌は、0℃あるいはそれ以下の温度でも生育可能な極限環境微生物であり、その酵素は一般に低温で高い活性を示す。このような好冷酵素は、例えば冷水で洗濯をする場合に添加する洗剤用のセルラーゼやリパーゼをはじめ、低温で行うことが望ましい食品のプロセッシングなどへの適用が可能である。本研究では、アラスカ、シベリアの永久凍土や南極海から新規低温菌を見いだし、それらが生産する有用好冷酵素の酵素学的特性を明らかにし、応用を計ることを目的としている。本年度は、アラスカ大学フェアバンクス校のKeller教授、およびロシア科学アカデミー土壌科学、光合成研究所のSamalkin博士の協力のもとに、シベリアやアラスカの土壌から単離した低温菌Acinetobactersp.DWC6や好冷菌Pseudomonassp.strainB11-1の好冷性リパーゼやプロテアーゼの機能と構造について検討した。精製されたこれら酵素はいずれも常温菌の相同な酵素と比べて、低温での高い活性と低い熱安定性を示した。明らかにされた一次構造や、立体構造モデルの解析などから、これらの好冷酵素は(1)アルギニン含量よりもリジン含量が高い、(2)プロリン含量が低い、(3)タンパク質表面上に、アスパラギン酸とグルタミン酸が多く分布する、(4)芳香族間相互作用、イオン対、水素結合、疎水性相互作用が少ない、などの構造的特性を有していることが明らかとなった。この結果、好冷酵素は常温菌の相同な酵素より柔軟な構造をとるものと予想され、これが低温での高い活性と低い熱安定性をもたらすものと考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Gutierrez,Aldo: "Modulation of Activity and Substrate Specificity by Modifying the Backbone Length of the Distant Interdomain Loop of D-Amino Acid Aminotransferase"European Journal of Biochemistry. 267・24. 7218-7223 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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