研究概要 |
1.マレー半島(タイ南部)における研究実績:タイ在来種の若雌牛16頭を、Paspalum Plicatulum主体の放牧地〔強放牧区(H区:5.95頭/ha)と弱放牧区(L区:2.94頭/ha)の2区〕において飼養し、成長と繁殖に関するデータを収集し、牧草現存量を調査した。牛は平均月齢12.8ヶ月、平均体重131kgで導入された。H区とL区の初回発情時月齢・体重・体高は各々13.7ヶ月・144kg・96.1cm,13.3ヶ月・146kg・96.7cm、受胎時月齢・体重・体高は各々17.2ヶ月・201kg・101.5cm,16.0ヶ月・201kg・102.7cm、導入後10ヶ月間の平均・日増体量は各々0.33kg,0.35kg、受胎に要した授精回数は斉々2.2回,2.3回で、両区間Q測定値に有意な差はなかった。H区とL区の乾物牧草現存量は導入時が各々8866kg/ha,7175kg/haで差がなかったが導入5ヵ月後は各々9319kg/ha,13218kg/ha、導入10ヶ月後には各々3735kg/ha、8802kg/haでL区が有意に高かった。発情周期を知るため血中P_4濃度の測定を継続中である。2.タライ平原(ネパール南部)における研究実績:家畜の体重・胸囲と繁殖成績に関するデータ収集を集団検診により行った。体重と胸囲を測定したのは水牛164頭(2-12歳齢)と乳牛144頭(1.5-10歳齢)であった。水牛の平均(最小-最大)体重は352(130-548)kg、平均(最小-最大)胸囲は170(126-206)cm、乳牛の平均(最小-最大)体重は252(127-456)kg、平均(最小-最大)胸囲は144(111-177)cmであった。無発情の水牛171頭のうち40頭が鈍性発情、微弱発情、発情見逃し症候群、118頭が卵胞発育障害と診断された。無発情の乳牛224頭のうち84頭が鈍性発情、微弱発情、発情見逃し症候群、140頭が卵胞発育障害と診断された。また低受胎の乳牛126頭のうち16頭が子宮内膜・頚管炎、17頭が卵巣膿腫、1頭が先天性卵巣機能不全と診断された。大学農場での水牛・乳牛の泌乳試験を13-14年度にかけて継続して行っている。
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