研究課題/領域番号 |
12575025
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
熊谷 元 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 助教授 (50221940)
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研究分担者 |
マハラジャン ケシャブ ラル 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 助教授 (60229599)
磯部 直樹 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 助手 (80284230)
中尾 敏彦 山口大学, 農学部, 教授 (30094824)
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キーワード | タイ在来種 / 繁殖雌牛 / エネルギー要求量 / 窒素要求量 / 乳牛 / 水牛 / ネパールテライ地域 / 栄養状態 |
研究概要 |
(1)タイ在来種雌牛の維持のエネルギーと窒素の要求量を明らかにするため、妊娠中期のタイ在来種雌牛4頭を供試し、Paspalum plicatulum乾草主体の基礎飼料に濃厚飼料(CP含量14%)を補助飼料として体重の0.25%(LL区)、0.50%(LM区)、0.75%(MH区)および1.00%(HH区)与える4区を設け、4×4のラテン方格法による消化試験を行った。体重あたりの乾草摂取量はLM区・MH区・HH区がLL区に比べて有意に高く、体重あたりの総乾物摂取量(%/kg・日)はLM区1.22%、MH区1.60%、HH区1.88%、LL区2.06%で、濃厚飼料給与量の増加に伴い有意に上昇した。乾物、有機物および粗タンパク質(CP)のみかけの消化率、CP摂取量および可消化粗タンパク質摂取量も同様に濃厚飼料給与量の増加に伴い有意に上昇した。今後尿へのエネルギー・窒素排泄量の測定結果を加味して栄養要求量に関する基礎的知見を提供する。(2)2002年4月から2003年8月まで行った、ネパールチトワン県の2農村計20戸の農家を対象にした牛・水牛の乳量、体重、血中代謝産物濃度および摂取飼料に関する調査結果をまとめた。3月から5月の暑期に分娩した牛の305日乳量(平均1900kg)は他の季節に分娩した牛(平均2250kg)に比べて有意に低かった。特定の農村(A)で2002年12月と2003年4月において半数以上の牛の血中総タンパク、血中尿素窒素濃度が標準値(各々6.8g/dl、8mg/dl)以下の値を示し、A農村の牛および水牛の305日乳量、ボディコンディションスコア・体重はB農村に比べて有意に低かった。乾期分娩牛の低乳量は新鮮牧草の不足に起因すること、牛・水牛の管理方式の違いが乳量・体重および栄養状態に反映する可能性が示唆された。
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