研究課題/領域番号 |
12575028
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
藤崎 幸蔵 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (00292095)
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研究分担者 |
玄 学南 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 助教授 (10292096)
長澤 秀行 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (60172524)
五十嵐 郁男 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (80159582)
神尾 次彦 農林水産省, 家畜衛生試験場, 研究室長
井上 昇 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 講師 (10271751)
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キーワード | ピロプラズマ病 / タイレリア原虫 / バベシア原虫 / 血清抗体 / 媒介ダニ / DNA診断 / 住血原虫病 / トリパノソーマ |
研究概要 |
ブラジルではウシの飼育頭数が世界の12%、草地面積も世界全体の16%を占めるなど、畜産業は国内基幹産業として重要な地位を占めている。さらに、ブラジルの畜産は21世紀には世界の食料庫としても重要な役割を果たすことが期待されている。しかし、家畜の多くは粗放な放牧形態で飼養されているため、草地に棲息するダニの吸血によって媒介されるピロプラズマ病によって、大きな損耗を強いられている。加えて、ブラジルをはじめとする南米諸国は、ウシ、ウマなどの家畜導入がコロンブス以後という歴史的経緯を有しているため、ヨーロッパやアジアなどの地域に比べ、家畜の原虫病を含む各種疾病の流行の歴史がはるかに短いという、他に類のない大きな特徴が存在している。しかも、ブラジルで現在ピロプラズマ病を媒介しているダニの大半は、南米大陸に固有の種類であることが判明している。したがって、約500年前に初めてピロプラズマ感染家畜に接して吸血機会を得た南米大陸のマダニが、どのような相互作用を経て「家畜-原虫-ダニ」の3者関係を成立させ、現在認められるような原虫媒介能を獲得したかについて探求するすることは、ブラジルなど南米諸国のピロプラズマ原虫の起源・進化を明らかにすることができるばかりでなく、近年、我が国を含む内外において医学・獣医学分野で大きな問題になっている新興感染症(エマージング感染症)の成立に関しても、学術的に興味深い示唆を得る可能性があるものと考えられる。このような社会的ならびに学術的背景に鑑み、本研究は、独自に開発したウマバベシアやウシバベシア、あるいは各種タイレリアなどの原虫病に対する遺伝子診断や組み換え体抗原を用いた血清診断の技術を用いて、ブラジルの主要家畜のピロプラズマ病の流行動態、病原虫の生物学的性状などを、分子・遺伝子レベルで詳細に明らかにすることを最終目標とするものである。 平成12年度においては、ブラジル・パンタナール周辺(マットグロッソドスル州)を主要な調査地域として、(1)家畜のピロプラズマ病を含む住血原虫病全般の発生状況(血清抗体調査)、(2)媒介ダニの種類・分布・生態の調査(形態、DNA診断)、(3)病原虫の分離・同定(原虫の培養、遺伝子・蛋白解析)などを解明するとともに、これらの解明に必要な基礎的技法の開発・検討を行った。
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