研究課題/領域番号 |
12575030
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
品川 森一 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (00001537)
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研究分担者 |
堀内 基広 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 助教授 (30219216)
石黒 直隆 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (00109521)
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キーワード | スクレイピー / プリオン蛋白遺伝子型 / モンゴル羊 |
研究概要 |
1.研究者の試料収集旅行の日程 以下の日程で、試料収集及び採取試料の現地処理を行った。 研究代表者:品川森一:8月16日〜9月2日、ウブルハンガイ県及びセレンゲ県 分担研究者:石黒直隆:8月26日〜9月2日、セレンゲ県 分担研究者:堀内基宏:8月19日〜8月26日、ウブルハンガイ県 研究協力者(通訳兼):ゴンボジャフ・アルゲンテレル:8月9日〜9月9日、トブ県、ウブルハンガイ県及びセレンゲ県 2.試料収集:平成12年8月9日から9月9日に掛けて、モンゴル中央部を3地域に分けて試料(血液)収集と、組織採集の依頼を行った。ウランバートル周辺のトブ県では3箇所で計42検体採取し、組織採取を依頼して組織保存バイエル40本を留置した。南部のウブルハンガイ県では2箇所で計60検体採取し、バイエル30本を留置、北部セレンゲ県では3箇所で計100検体採取し、バイエル30本を留置した。各採取旅行後に獣医学研究所で検体の血液から白血球の染色体DNAの分離を行った。目的外であったが、将来の血清疫学に資するために血漿の分離と現地での保存を行った 3.解析結果:202検体及び前年度予備的に採取を行った69検体、合わせて271検体のDNAを羊PrP特異プライマーを用いて、PCRにより増幅し、塩基配列の解析を行った。これまでに報告されている羊PrPのアミノ酸多型、コドン112M/T、136A/V、154R/H、171Q/R/Hは地域、品種による偏りが見られるものの全て存在した。感受性の136Vを持つ羊は2品種で2.9%及び5.7%、全体の1.5%に認められ、低率であった。抵抗性の171Rを持つ羊は全体の21%であり、他の国とほぼ近かった。これまで知られていない、171K、127V/S、189L/Rのアミノ酸多型が見出されたが、スクレイピー感受性との関係は判らない。スクレイピーの存在は現地の聞き込み調査では全く不明であった。神経症状を示したと推定される羊組織か現地獣医学研究所に徐々に回収保存されてきているので、それらの解析結果を待つ必要がある。
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