研究課題/領域番号 |
12575032
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小池 勲夫 東京大学, 海洋研究所, 教授 (30107453)
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研究分担者 |
飯泉 仁 水産庁, 北海道区・水産研究所, 室長 (00159550)
野島 哲 九州大学, 理学部, 助教授 (30112288)
向井 宏 北海道大学, 理学部, 教授 (00013590)
相生 啓子 東京大学, 海洋研究所, 助手 (90107459)
木暮 一啓 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (10161895)
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キーワード | 熱帯藻場 / 集水域 / 人間活動 / 沿岸生態系 / 堆積物 / 水質 |
研究概要 |
タイの南部のアンダマン海に面した熱帯海草藻場において、1月、3月に以下の調査を行った。調査海域としては、マングローブに囲まれ、且つ沿岸の人間活動が盛んな、Ranong周辺域と、比較的陸域の影響の少ないTrang周辺域、およびTrangでも中規模河川の河口に位置する海草藻場の3カ所を選べ、人間活動を含む陸域の影響が海草藻場の機能にどのように影響しているかを現地調査と実験生態学的な手法での解析を試みた。本年度は3年計画の1年目なので、調査海域および陸域における以下の調査を行った。1)主要な海草藻場における海草密度、種組成、現存量の把握、および付着動物、植物、および底生動物の調査を行った。2)海草の捕食者であるジュゴンの影響をその捕食の跡を経時観測することで推定する試みをRanong周辺域で開始した。3)藻場を主要なすみかとする魚類が季節的、あるいは海域の違いによる陸域の影響でどのように変化するかを時系列的に観測する作業を開始した。4)海草藻場に水質、堆積物が陸域の人間活動によって季節的にどう変わるかを解析するため、雨季と乾季での調査を行ったが、雨季に関してはタイ側の共同研究者により次の雨季のシーズンにサンプリングが行われる予定であり、そのための手法の統一を諮った。5)集水域における人間活動の影響を解析するため、衛星写真および現地調査で土地利用の形態、産業構造、人口、家畜などの調査を行った。6)藻場がどのように環境変動に対応して変遷してきたかを解析するため、藻場におけるコアーサンプリングを行い、地球化学的な手法とコアー観察を併せてその変動の記録を読みとる試みを行っている。以上の調査はいずれもタイのカセサート大学の研究者との共同研究として行われた。
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