研究課題/領域番号 |
12576009
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
太田 伸生 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10143611)
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研究分担者 |
平山 謙二 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (60189868)
鈴木 高史 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (70305530)
丸山 治彦 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (90229625)
奈良 武司 順天堂大学, 医学部, 助手 (40276473)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 日本住血吸虫 / カルパイン / ワクチン / DNAワクチン / CpGオリゴヌクレオチド / セルカリア / 免疫染色法 |
研究概要 |
日本住血吸虫カルパインのレコンビナントタンパクを大量精製して単クローン抗体の作製とブタでのワクチントライアルに供した。作製した単クローン抗体を用いた免疫組織化学的検討によりカルパインの住血吸虫での発現を発育過程に応じて追跡した結果、セルカリアの時期に分泌腺を中心に強い発現を認め、カルパインワクチンの効果発現の機序解明を示唆する所見を得た。ブタにおけるワクチン効果を中国側共同研究者と共に実施したがわずかに産卵抑制が観察されたものの感染抑止効果は観察できなかった。その原因を検討するために免疫群の抗体産生を経時的に観察したがマウスの実験で見られた感染によるブースト効果が見られず、ワクチンの投与法に検討の余地のあることが判明した。ブタの感染実験ではパラミオシンやGSTなど他のワクチン抗原が感染によるブースター効果を示すと考えられることからカルパインのワクチン候補分子としての特殊性が示唆された。昨年度に引き続いて検討したカルパインのDNAワクチンは耳部の皮下注射により高い抗体価の上昇を誘導することを確認したが抗体価の上昇と感染防御効果とは有意な相関を示さず、日本住血吸虫の感染防御に細胞性免疫の効果が大きいことが確認できた。CpGオリゴヌクレオチド(CpG ODN)が単独で発症阻止効果を持つことを観察したが、その強いTh1誘導効果をアジュバントとして応用する試みを行なった。マウスの実験ではCpG ODNの併用によって免疫応答がTh1にシフトすることが確認され、さらにCpGの経鼻投与でも同様の効果がみられた。CpG ODNの体内半減期が短いことから身体侵襲の少ない投与法を確立して頻回投与を行なうことも必要と思われた。以上を総括して家畜動物を標的とした日本住血吸虫ワクチンの実用化の方針を日中双方の研究者で確認した。
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