研究課題/領域番号 |
12576010
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
池 康嘉 群馬大学, 医学部, 教授 (60125820)
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研究分担者 |
富田 治芳 群馬大学, 医学部, 助手 (70282390)
藤本 修平 群馬大学, 医学部, 講師 (90241869)
谷本 弘一 群馬大学, 医学部, 助教授 (40188389)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | タイ国 / VRE / 養鶏 / 鶏肉 / 鶏肉糞便 |
研究概要 |
我が国はいわゆる先進国の中では唯一、臨床現場にVREが広がっていない国であり、現在までに20〜30例の報告がある。しかしながら、家畜でアボパルシンの使用歴のあるタイやフランスからの輸入鶏肉から、高頻度(20〜50%)にVREが検出される。特にタイ産鶏肉は多く輸入されており、鶏肉を介してのVREの人への伝播が懸念される。2000年までに人及び輸入鶏肉から分離されたVanA型VREそれぞれ8株、14株についてそのVanA遺伝子構造伝達性等を解析した結果、タイ産鶏肉由来11株と、人由来3株にVanA遺伝子のvanS(sensor蛋白)遺伝子の解析に同じ変異が存在した。輸入食品を介してのVREの伝播を調査する目的で、タイにおける養鶏・鶏肉環境のVRHの実態調査とVRE制御対策を、タイ国立食品衛生局との共同で行った。タイ養鶏会社20社に属するBroiler farm、Chicken meat、Chicken cloacal swabそれぞれのサンプルのVREを調べた。Broiler farm300養鶏場の糞便を300 samples(1sampleは1養鶏場の60カ所から、鶏糞便をそれぞれ1gram、合計60gを採取したもの)、輸出用Chicken meat 530 samples(1sampleは約300gramの鶏肉を細かく切断し、そのうち259を1sampleとして使用)Chicken cloacal swab(1sampleは1農場の60羽のそれぞれの鶏腸管糞便のswabを採取したもの)300samplesを調べた。その結果、サンプル当たりBroiler farmから14%、Chicken meatから16%、Cloacal swabから25%の頻度でVanA型VREが分離された。その後、Broiler farmを鶏出荷後、床の敷藁交換の徹底、床の清掃及び塩素系消毒薬で消毒を行った。その後半年後の調査で、それぞれのsampleからのVRE分離率は2.5%、1.3%、8.6%と減少していた。この研究で分離されたVREは全てVanA型VREで、前に報告した日本のタイからの輸入鶏肉のVanA型VREで発見される、VanS遺伝子の3箇所の変異のあるのものであった。
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