研究概要 |
1.2003年5月に開催されたWADEM (World Association for Disaster and Emergency Medicine)において前年度までの成果を発表した。 2.最新のMadison versionのUtstein Templateを本研究の分析に応用するため、Templateに関するWADEMワークショップに参加した。 3.より客観性を備えた評価実施を目的として、2003年9月台湾の被災地を訪れて資料の再収集を行った。 4.それらの資料をもとに阪神・淡路大震災と台湾集集大地震、加えて2003年7月の宮城県北部連続地震を対象に、Madison versionのUtstein TemplateによるHealth Disaster Severity Score解析を実施した。 (1)23のelememtにおけるスコア(7点が最悪)はそれぞれ、阪神・淡路大震災、台湾集集大地震、宮城県北部連続地震の順にCoordination-Control:3,2,1,Medical:7,2,1,Medical/Beds:2,2,0,Crude Mortality Rate:7,3,0,Hospital Mortality Rate:5,3,0,Immunization:0,0,0,CommunicableDiseases:0,0,0,Health care providers:2,1,0,Health equipment/Electronics:3,2,1,Health supplies, Medicaments, Vaccines:1,1,0,Psychosocial:5,5,3,EMS:2,1,0,Preparedness/Plan:1,1,1,Preparedness/SAR, EMS:1,1,1,Preparedness/Hospital:4,2,4,Missing/Trapped:6,1,0,Nutrition:0,0,0,Water:7,6,1,Water/distribution:6,6,1,Sanitation6,5,1,Shelter/clothing:5,4,2,Food:6,5,4,Food/Distribution:6,5,4,Search & Rescue:2,1,0で、合計点(最悪点168点)はそれぞれ87,59,24点であった。 (2)以上より、地震直後の災害医療対応において、阪神・淡路大震災、台湾集集地震、宮城北部連続地震の順に被害甚大、対応不十分であったことが数値化して確認できた。また、わが国において阪神・淡路大震災以降も災害準備への改善傾向を認めるとはいえない。 以上の要旨とUtstein Template分析の有用性について、2004年2月第9回日本集団災害医学会総会で発表した。
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