研究課題/領域番号 |
12576014
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
門司 和彦 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (80166321)
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研究分担者 |
青柳 潔 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80295071)
片峰 茂 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40161062)
嶋田 雅暁 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (70124831)
竹本 泰一郎 長崎国際大学, 健康管理学部, 教授 (60010005)
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キーワード | 健康教育 / エイズ / 住血吸虫症 / 学校保健 / 性行動 |
研究概要 |
本年度は、昨年度より実施しているケニア沿岸州・クワレ県・ムワチンガ村での小学校での集団検尿・投薬後の再感染率に与える健康教育の影響を研究代表者の門司が中心となって実施し、タンザニア・モシ地区における学童の水接触行動の研究を研究分担者の嶋田が中心となって実施した。 1)小学校での検尿によるビルハルツ住血吸虫症の再感染研究では、健康教育を実施した2年生と6年生は、他の学年に比べて当初、再感染率が低い傾向にあり、8月に投薬を行った以降、11月までは若干低い感染率であった。しかし、この地域が暑くなり学校も休みに入る12月ごろからは子供の水遊びも盛んになり、この時期に感染することによって1月以降の感染率には健康教育群・対象群の間に差がなくなった。中程度以上の感染(虫卵50個110ml以上)については若干遅れて3月以降に差が見られなくなった。これは、1)暑さや学校が休みであるという外部影響とともに、健康教育を実施していた看護助手・教師の健康教育技術が不十分だったという教育内容の影響の両者が関連している。12月から3月までの感染を減少させる方法が必要であり、この時期の健康教育に力を入れることがある程度、有効だと思われた。また、学校が休みになる場合、家庭での教育が重要であり、両親への教育も必要だった。 2)タンザニア・モシ地区での水接触行動調査では、男児の水浴びが暴露係数としては圧倒的に多いことが改めて明らかとなった。健康教育による行動変容はなかなか難しく、定期的な集団投薬の実施を広げることが対策としては現実的であり、それと健康教育を平行して強化する必要があった。
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