研究課題/領域番号 |
12576017
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
永武 毅 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (30164445)
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研究分担者 |
渡辺 貴和雄 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (20220874)
渡辺 浩 長崎大学, 医学部・附属病院, 講師 (90295080)
大石 和徳 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教授 (80160414)
麻生 憲史 長崎大学, 医学部・附属病院, 助手 (70325653)
天野 秀明 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (00304949)
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キーワード | タイ国 / HIV感染者 / AIDS患者 / 呼吸器感染症 / 起炎病原体 / 病原診断 / 呼吸器病原細菌 / 薬剤感受性検査 |
研究概要 |
タイ国においては1987年以降、HIV感染者が増加し、AIDS患者に合併した呼吸器感染症も急増している。その起炎病原体は先進諸国と異なり、肺炎球菌やインフルエンザ菌などの代表的呼吸器病原菌に加えて、Rhodococcus equiなどの特殊な細菌、Penicillium marneffeiのようなタイ国特有の真菌、ノカルジア、結核など多岐に渡っており、また、混合感染も少なくないことが明らかとなってきたがまだ十分に診断・治療法の確立がなされていない。そこで、まず、チェンマイ大学医学部と共同で、チェンマイ市内の中核病院であるナコンピン病院に来院するAIDS症例に合併した呼吸器感染症の病原診断のシステムを確立した。来院した患者の感染症診断用の検体(喀痰、咽頭ぬぐい液、血液など)は採取された後すみやかにチェンマイ大学医学部検査室に搬入され、グラム染色や培養結果をすみやかにFAX等を用いてナコンピン病院医師へ連絡することで、早期診断および早期の治療変更の情報を医療者側が得られるようにシステム作りを行った。さらに、これまで、チェンマイ大学医学部の検査技師およびナコンピン病院の医師と検査技師については、1988年から毎年1〜2名を長崎大学熱帯医学研究所において診断手法の技術移転の為の招聘事業を行うと共に、必ず年2回以上当科の医師および技師が現場に出かけて行くことで高いレベルの病原診断を可能なものとしてきた。今回は呼吸器病原細菌の薬剤感受性検査を行うことで,今日の抗菌化学療法として最も推奨され得る薬剤を決定することにした。これらの研究成果によってAIDSに合併しやすい呼吸器感染症治療法と予防対策の確立を目指すものである。
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