研究課題/領域番号 |
12576019
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
松岡 裕之 自治医科大学, 医学部, 助教授 (10173816)
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研究分担者 |
川本 文彦 名古屋大学, 医学部, 助教授 (40115556)
平井 誠 自治医科大学, 医学部, 助手 (50326849)
吉田 栄人 自治医科大学, 医学部, 講師 (10296121)
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キーワード | G6PD / アジア / ゲノムDNA / PCR / 分子疫学 / マラリア |
研究概要 |
今年度はマレーシア、ミャンマーへ松岡が出張し、血液検体の収集にあたった。また中国から共同研究者を2名招へいし、中国におけるG6PD変異の分子生物学的検討に見込みがたった。ベトナム、ネパールからも共同研究の依頼が来ており、来年度はこうした地域からも検体が集まってくる見込みである。 検査室内では一方、全血からのゲノムDNA抽出に関し、基礎的研究を行なった。すなわち、G6PDの活性を調べるため、藤井法(1984)では、ろ紙に採血した血液を、試薬を混ぜた寒天ゲルの上に置き、37度で8時間インキュベートして、発色の程度により活性の多寡を測定する。あるいは廣野法(1999)では、1.5mlのチューブに試薬を混ぜておき、全血を加えたのち振とおして室温に置き、発色の程度により活性の多寡を測定する。こうして活性の低い個人が特定できたなら、従来はその個人から再度採血して、ゲノムDNA抽出を行なっていた。しかし今年度検討したところ、こうしてG6PDの判定に用いられた試料(ろ紙あるいはチューブ内容物)から、PCRのテンプレートとして使うに足りるゲノムDNAが抽出できることが分かった。このことにより、フィールドにおける検体収集がずいぶん簡単になることが予見される。 今年度明らかになったG6PD変異者の分布調査上での知見のうち、特にマレーシアでG6PD Mediterraneanが見つかったことが興味深い。マレーシアに住むインド系住民からのもので、本変異はマレーシア人からは、初めてみつかったものである。
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