研究課題/領域番号 |
12576020
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
山下 俊一 長崎大学, 医学部, 教授 (30200679)
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研究分担者 |
柴田 義貞 長崎大学, 医学部, 教授 (40010954)
高橋 達也 山形大学, 医学部, 助教授 (50304928)
高村 昇 長崎大学, 医学部, 講師 (30295068)
中島 正洋 長崎大学, 医学部, 講師 (50284683)
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キーワード | 甲状腺癌 / 放射性発がん / データバンク / Ret / PTC / βカテニン / 遠隔医療診断支援システム |
研究概要 |
代表者らは、1995年よりカザフスタン共和国セミパラチンスク核実験場周辺地域における予備医療調査を開始した。1998年には、長崎大学とセミパラチンスク医科大学が姉妹校関係を締結し,以降現地より大学院生を一名受けいれ人的交流と共同研究を開始した。 1999年以降同地区の甲状腺がんの手術摘出標本を用いて解析を行ない、セミパラチンスク住民の甲状腺がん組織よりRet/PTC3の遺伝子変異を報告した(Lancet354:1528,1999)。 現在は同地区における甲状腺がん組織を用い、βカテニン遺伝子の変異及び局在について解析を行なっている。その結果、慢性甲状腺炎や腺腫様甲状腺腫に比して、乳頭がんでは細胞質内への移行が高頻度で見られることが明らかになった。 また、セミパラチンスク医科大学附属病院への遠隔医療支援システムは、現在までに500例を超す症例の診断支援を行い、そのうち甲状腺がんと診断した例が数例存在した。 今後さらに、支援体制を強固なものとし、解析を継続する予定である 一方、セミパラチンスク核実験場に隣接するロシア連邦のアルタイ州については,現在までに資料の収集および協力体制の整備を行っている。さらに今後、現地のヒバクシャの早期診断・治療を目的にした医療診断支援システムの構築を計画している。甲状腺がんの分子生物学的解析も同時に進行中であり、放射線被ばくのマーカーとなる遺伝子異常についての検索を行っている。
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