研究分担者 |
小竹 聡 北海道大学, 医学部附属病院, 講師 (00186694)
小野江 和則 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (40002117)
猪子 英俊 東海大学, 医学部, 教授 (10101932)
水木 信久 横浜私立大学, 医学部, 教授 (90336579)
陳 進輝 北海道大学, 医学部附属病院, 助手 (90236844)
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研究概要 |
炎症性眼疾患の中にはベーチェット病,Vogt-小柳-原田病などの難治なものがあり、失明率が高い。これまでにトルコのベーチェット病の疫学調査を行ったところ,男性患者に失明率が高かった.しかし,女性患者の頻度が徐々に増加しているが判明し,中東地域と東アジアの差異は減少しつつあつた. また,原田病は、人種間で発症率が全く異なる疾患であるが、日本およびアメリカの原田病患者はヒト主要組織適合抗原であるHLA-DR4と相関することがこれまでに判明している。今回,インドおよびアルゼンチンの原田病患者において,HLA-DNAタイピングをPCR-RFLP法で検討することにより、原田病の遺伝的背景を明確にすることを目的に研究を行った.その結果,HLA-DRB1遺伝子タイピングでは,6例中4例66.7%にHLA-DRB1^*04がみられた.ハプロタイプは日本人で相関の見られるHLA-DRB1^*04が1例,HLA-DRB1^*0403が3例みられた.また,アルゼンチンの原田病患者におけるHLA-DRB1遺伝子タイピングでは,93.3%(15/16)にHLA-DRB1^*04がみられ,DRB1^*0404が43.8%にみられた.以上のことから,原田病では人種を越えてHLA-DRB1^*04と相関することが示唆された. 今後は、対象となる患者を他の原田病の発症率の高い地域へと広げ、さらには発症の原因となる遺伝子の同定へ、と研究をすすめていきたい。
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