研究課題/領域番号 |
12576026
|
研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
柴田 敏之 北海道医療大学, 歯学部, 助教授 (50226172)
|
研究分担者 |
有末 眞 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (20091407)
進藤 正信 北海道大学, 歯学部, 助教授 (20162802)
千葉 逸郎 北海道大学, 歯学部, 助手 (50250460)
藤井 健男 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (30173389)
安彦 善裕 北海道医療大学, 歯学部, 助教授 (90260819)
|
キーワード | ORAL CANCER / BETEL CHWING / CARCINOGENESIS / SRI LANKA |
研究概要 |
周知の如く、東南アジア地域の国々では、噛みタバコの習慣(Betel chewing)により、口腔癌が多発し、全癌の20〜30%を占め大きな社会問題となっている。一方、この発癌機序については、現地の経済情勢もあり疫学・病理組織学的研究にとどまり、原因物質の特定を含めた背景因子などの分子生物学的検討は皆無となっている。これまでに、我々は、噛みタバコによる口腔癌では癌抑制遺伝子p53の変異がExon7に集中すること(Oncogene1998,Int.J.Cancer1999)、また、血球DNAの解析により前癌・癌病変患者ではニトロソアミン類活性化酵素CYP2A6と、活性化ニトロソアミン類代謝酵素GSTM1が、口腔癌発症にGenetic Back Groundとして深く関与していることが示唆されている。(AACR1999,JACR1999)。 そこで、本年度は、口腔前癌病変患者に注目し、口腔前癌患者44人、健常人21人(計65人)の遺伝型を解析した。この結果、口腔前癌病変患者ではCYP2A6 Wild type、GSTM1 null typeに30人(30/44)が既当し、健常人の分布(11/21)に比べ、高い結果を示した。このことは、口腔病変の分子疫学が成立し得ることを示唆し、今後、更に母集団の拡大と長期follow結果を検証する意義が高いと考えられる。また、本年度は、上記結果を明確にするために、計約200人の検体の採取も同時に行った。
|