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2002 年度 実績報告書

スリランカ共和国における口腔がん発生機序の分子疫学的調査

研究課題

研究課題/領域番号 12576026
研究機関岐阜大学

研究代表者

柴田 敏之  岐阜大学, 医学部, 教授 (50226172)

研究分担者 土井田 誠  岐阜大学, 医学部, 助教授 (90313890)
安彦 善裕  北海道医療大学, 歯学部, 助教授 (90260819)
千葉 逸朗  北海道医療大学, 歯学部, 教授 (50250460)
宮本 謙  岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (90343194)
加藤 幸弘  岐阜大学, 医学部, 助手 (30293567)
キーワードORAL CANCER / BETEL CHEWING / CARCINOGENESIS / SRI LANKA
研究概要

最近の分子生物学的知見は、発がん過程における遺伝子異常の蓄積において、個々のGenetic Back Groundの相違が、重要な役割を演じていることを明らかとしている。しかしながら、口腔・消化器領域では前癌病変としての白板症、口腔がんと上部消化器がんとの関連が臨床病理学的に示されて来ているものの、これら相互の分子生物学的解析は不十分なままとなっている。また、アジア地域(主として東南アジア)では、Areca Nutsを用いたbetel chewing(噛みタバコの一種)の習慣があり、これに起因して白板症を経て口腔・上部消化器がんが多発(全体のがんの約40%を占める)していることが知られている。しかし、これら諸国では人的、経済的理由により、その解析・予防は手付かずのままとなっており、多くのがん患者が発生し続けている。そこで、噛みタバコ(betel chewing)の習慣により口腔・上部消化器がんの多発するこの地域に注目し、1)口腔白板症・がん病変、また、これに随伴する消化器病変の分子生物学的なトランスロケーショナル解析を行ない、その関連性を明らかとする。2)患者血球DNAより遺伝子多型(SNPs)の解析を行ない、がんの発生におけるGenetic Back Groundの有無および差違を明らかとする。を目的とし検討を行なってきた。その結果、これらの地域で発生する口腔がんでは日本、欧米とは異なる特異的な遺伝子変異(p53遺伝子)がみられること、前がん病変と考えられる白板症にみられる遺伝子変異とがん病変での変異に乖離があり、多段階に病変が形成されることが示唆されている。また、同じ噛みタバコの習慣を持つ集団の中に前がん病変を生じるグループと全く生じないグループがあり、この違いがCYP2A6とGSTM1のSNPsにより支配されていることが示されている。さらに、グルタミンによる口腔がん予防効果について検討したところ、有意に前がん病変の抑制効果が認められ、グルタミンが口腔がんの化学予防剤として有用であることが示されつつある。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] T.Shibata, et al.-4: "Detection of TP53 mutation in ameloblastoma by the use of a yeast functional assay"J Oral Pathol Med 2002 ; 31 : 534-8. 31. 534-538 (2002)

  • [文献書誌] Zeki Topcu, I.Chiba, M.Fujieda, T.Shibata, et al.-7: "CYP2A6 gene deletion reduces oral cancer risk in betel quid chewers in Sri Lanka"Carcinogenesis. 23. 595-598 (2002)

  • [文献書誌] T.Kobayashi, F.Okada, N.Fuji, N.Tomita, S.Ito, H.Tazawa, T.Aoyama, Sung Ki Choi, T.Shibata, et al.-3: "Thymosin-β 4 Regulates Motility and Metastasis of Malignant Mouse Fibrosarcoma Cells"American Journal of Pathology. 160. 869-875 (2002)

  • [文献書誌] D.Hatakeyama, O.Kozawa, T.Otsuka, T.Shibata, et al.: "Zinc Suppresses IL-6 Synthesis by Prostaglandin F2 α in Osteoblasts : Inhibition of Phospholipase C and Phospholipase D"J. Cellular Biochemistry (3) : 621-8628 (2002). 3. 621-628 (2002)

  • [文献書誌] D.Nakata, J.Hamadam YiBa, K.Matsushita, T.Shibata, et al.-2: "Enhancement of tumorigenic, metastatic and in vitro invasive capacity of rat mammary tumor cells by transforming growth factor-β"Cancer Letters. 175. 95-106 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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