研究課題/領域番号 |
12576027
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
本多 義昭 京都大学, 薬学研究科, 教授 (00093310)
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研究分担者 |
木内 文之 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (60161402)
高石 喜久 徳島大学, 薬学部, 教授 (60035558)
武田 美雄 徳島大学, 総合科学部, 教授 (70025716)
林 宏明 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (50260998)
伊藤 美千穂 京都大学, 薬学研究科, 助手 (30283592)
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キーワード | トルコ系民族 / 薬用植物 / ウズベキスタン / カザフスタン / 甘草 / 伝統薬物 / フィールドワーク |
研究概要 |
7月21日〜8月16日の期間、ウズベキスタン共和国、およびカザフスタン共和国において、民間薬、薬用植物資源に関するフィールドワークを行なった。ウズベキスタンにおける調査は、平成9年、10年(課題番号09041182)に続き3回目であり、本年度は、民間で薬用にされる植物を中心に、天然物化学的研究のための材料採集を行なった。 次に、ウズベキスタンに引き続き、カザフスタンにおいて初めての現地調査を行なった。旧首都であるアルマティの市場では、多数の薬草類が販売されており、用途別に複数種を処方したものもあった。売られていた薬草の種類は、概ねウズベキスタンのものと重なるが、一部はロシアから運ばれてくるといい、非常に欧州的なものもみられた。また、カザフスタン南側の山岳地帯は植物相が非常に豊富であった。アルマティから北方のバルハシ湖周辺部までの砂漠地帯では、植物相的には豊かではないものの、資源植物として重要な甘草が多く自生していた。これらの甘草は、生薬市場では東北甘草と称されるGlycyrrhiza uralensisであると同定されたが、現地の植物学者によると、カザフスタン東部ではG.uralensisが、西部ではG.glabraが多く、中部ではその交配種のG.korsinskyiがあるということであった。また、漢薬資源として重要でありながら、近年、中国からの供給が危ぶまれている麻黄(Ephedra equisetina)の自生も確認した。 また、7月1日〜7月7日には、ウズベク科学アカデミー植物研究所・植物園の所長および所長代理を日本に招き、民族伝統薬物に関する情報交換、研究成果についての検討を行なった。
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