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2002 年度 実績報告書

『八千頌般若経』古訳の文献学的研究-アフガニスタン出土の梵語古写本との比較

研究課題

研究課題/領域番号 12610020
研究機関創価大学

研究代表者

辛嶋 静志  創価大学, 国際仏教学高等研究所, 教授 (80221894)

キーワード支婁迦讖 / 道行般若経 / 八千頌般若経 / 中古漢語 / 仏教漢文
研究概要

平成14年度は、当該科学研究の三年目であり、最終年度であった。この一年間は、一昨年度・昨年度に引き続き、『八千頌般若経』の古訳である支婁迦讖訳『道行般若経』のグロッサリー(詞典)と『道行般若経』の校訂注釈本を執筆した。詞典では、英訳を附し、さらに六種の漢訳異訳、梵本(刊本とアフガニスタンで新たに出土した梵語古写本)及びチベット語訳の対応語を併記した。また、校訂注釈本では、細かく章立てを施し、諸漢訳・梵本・蔵訳の対応箇所を示し、難解な箇所は英訳すると同時に梵本・支謙訳・鳩摩羅什訳の対応箇所を引用した。これらの作業はすでに『道行般若経』全体の70%程度まで進んでいる。一、二年内に、残りの部分を終わらせ、『道行般若経詞典』と『道行般若経校注』を出版しようと思う。大部な出版物になるが、これらが完成すれば、本経は勿論、他の古訳経典をかなり正確に読解できるようになるに違いない。
なお、中国と台湾や欧米でも、近年、仏典を漢語史の材料として研究する学者がとみに増え、彼らの間で、筆者の方法-漢訳仏典の漢語を対応する梵語・チベット語と比較して分析する方法-と研究成果とが、大いに注目されている。筆者の業績と履歴を紹介した論文が台湾と中国で出たのを始め、今年からは北京大学漢語史研究センターおよび湖南師範大学漢語史研究所の兼任教授に就き、またスウェーデンの社会科学高等研究コレギウム(Uppsala)の兼任研究員にもなる予定。筆者が努めて英語・中国語で論文・著作を発表してきた効果が現れはじめたと思う。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 辛嶋静志: "『道行般若経』和"異譚"的對比研究"『漢語史研究集刊』(四川大学漢語史研究所刊). 4. 313-327 (2001)

  • [文献書誌] 辛嶋静志: "『道行般若経』和"異譚"的對比研究-『道行般若経』中的難詞"『漢語史研究集刊』(四川大学漢語史研究所刊). 5. 199-212 (2002)

  • [文献書誌] 辛嶋静志: "「漢訳仏典の言語研究-『道行般若経』と異訳及び梵本との比較研究」-(1)"『櫻部建博士喜寿記念論集・初期仏教からアビダルマへ』(平楽寺書店刊). 171-183 (2002)

  • [文献書誌] 辛嶋静志: "「漢訳仏典の言語研究-『道行般若経』と異訳及び梵本との比較研究」-(2)"創価大学・国際仏教学高等研究所・年報. 5. 3-12 (2002)

  • [文献書誌] 辛嶋静志: "編《佛典漢語詞典》的構思"『普門學報』(台湾、高雄). 11号. (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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