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2002 年度 実績報告書

『朝鮮王朝実録(李朝実録)』に見る李朝仏教の研究

研究課題

研究課題/領域番号 12610023
研究機関花園大学

研究代表者

中島 志郎  花園大学, 文学部, 教授 (40268123)

キーワード李朝実録 / 李朝仏教 / 朝鮮時代 / 大蔵経 / 室町幕府 / 明宗 / 明宗実録
研究概要

本年度は、朝鮮時代の仏教の動向を『李朝実録』に収める具体的事例に沿って追求することに主眼を置いた。『李朝実録』は膨大な記録資料であって、その全容はまだ充分に把握できたとは言えない。課題とした仏教についてもその膨大な量の記事の収集は決して順調ではなかったが、明宗時代の仏教の動向を探る極く基礎的な部分についての成果はあげられた。『明宗実録』については引き続き、将来の研究の為の基礎資料として、仏教関連記事について、データー入力に取り組み、データーベース化の作業に取り組んで行きたい。また前年、筆者は高麗時代の仏教について私見をまとめることができたが、そこで高麗大蔵経の性格に言及した。その大蔵経は朝鮮時代に入っても忘れ去られたわけではなく、当時の室町幕府を始めとする日本の歴代幕府が強い関心を示してきたことも周知に属する。朝鮮にとって大蔵経は外交上の交渉にもしばしば利用される重要な文化財であり、日本側の熱心な働きかけが『李朝実録』他の記録に見えることはやはり周知のところであるが、高麗時代の大蔵経がどのように伝承され、朝鮮時代にいかなる役割を果たしたのか、新たな研究課題として注目できる。
今回の研究も直接、対象となったのは中宗以後明宗に至る限られた時代の、更にその一断面に過ぎない。しかも、情報の収集と入力に殆どの労力を割いてしまったが大蔵経の動向のように新たな問題関心も発見できた。『李朝実録』から朝鮮時代の仏教を解読する作業は朝鮮時代のあらゆる場面について継続される必要があろう。また、今年も韓国ソウルに於ける資料収集と調査が実施でき、最新の研究動向を把握できたことは大変有意義であった。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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