研究課題/領域番号 |
12610028
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柳橋 博之 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (70220192)
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研究分担者 |
内藤 陽介 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (90262055)
鎌田 繁 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (70152840)
竹下 政孝 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (30163398)
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キーワード | イスラム / 在日イラン人 / 文化摩擦 / イスラム法 / オリエンタリズム / 反米感情 / 在欧イスラム教徒 |
研究概要 |
1.補助金交付内定の通知を受け、5月20日に研究方針を話し合う第1回会合が開かれた。最初に、研究代表者である柳橋が、主として契約法に関するイスラム(教徒)と西側社会との異同を中心にした報告を行い、イスラムに関する法摩擦を理解するためには、背景にある文化摩擦についての冷静な理解が必要であるとの基本的な認識を示した。 2.この柳橋報告をふまえ、6月に鎌田が在日イラン人が日本社会に適応していく上で直面する文化摩擦の実例について、7月に竹下がドイツ・フランス社会におけるイスラム教徒文化人の活動について、また、内藤が、中東イスラム社会における反米感情の諸側面に関して、それぞれ、各自の既往の研究成果をもとに報告を行った。 3.9月以降は、竹下・鎌田が在外研究のため、それぞれ、1年の予定でトルコ・アメリカに滞在することになったため、両名は主として現地調査を行うものとして、日本に残った柳橋と内藤は、主として文献資料を用いた調査・研究を行うこととした。その際、柳橋は西側社会のイスラムに対する誤解を、内藤はイスラム側の西欧社会に対する誤解を、それぞれ分担して研究することとし、現在も研究・討議を続けている。討議の中では、イスラム世界における反西欧感情が、実は、西側社会のオリエンタリズムの安易な裏返しではないのかといった見解も提起されたが、この問題はさまざまな点からの考察が必要であるため、来年度後半以降、竹下・鎌田の帰国を待って議論を深めたい。なお、成果は2〜3年後をめどに公表することとしたい。
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