この研究の目的は三つある。ひとつは、12世紀の様々な思想的潮流(クレルヴォーのベルナルドゥス、ペトルス・ロンバルドゥス、ギルベルトゥス・ポレターヌス、ペトルス・アベラルドゥスなど)の中で、サン・ヴィクトール学派の人々をその中央に位置づけることである。 二つ目の目的は、サン・ヴィウトール学派に属するフーゴー1096-1141、リカルドゥス-1173、アンドレアス-1175などの影響関係を確かめることにより、「学派」と呼ぶことのできるような一貫した学風が、本当にあったのかを考察することである。 第三は、より大きな中世哲学全体の中で、たとえばトマス・アクィナス、ボナヴェントゥラなどに与えた影響、あるいは「三位一体論」や「キリスト論」のような神学の問題について、あるいは「按手礼」や「葬儀」や「死」などをめぐる時代の教会の課題について、サン・ヴィクトール学派の人々はどのように語ったのかを探求することである。 これらはどれもすべて壮大な構想であるが、この研究は、筆者の能力の不足と大学の状況の多忙によって、ほんの入り口で座礁せざるを得なかった。
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