平成13年度における主な研究活動は、9月2日から11月11日まで、横浜市みなとみらい21地区において開催された日本初の国際現代美術展「横浜トリエンナーレ2001」において、アーティストの椿昇氏と共同制作した作品「インセクト・ワールド」をめぐるものであった。「横浜トリエンナーレ2001」のディレクターの一人河本信治氏の要請によって、実際にアートを制作する側に立ちながら、現場の中から本研究に関わる様々な知見を得ることができた。「インセクト・ワールド」は高層ビルの壁面に設置された前長50mを超える巨大なバッタ型バルーンと映像作品、展示作品の組み合わせによる複合的アート作品であったが、展覧会の期間中には数百万人の観客の目に触れることができた他、テレビ・新聞・雑誌等のメディアに大きく取り上げられた。横浜トリエンナーレ事務局、パシフィコ横浜、横浜グランドインターコンチネンタルホテルなどの関連企業も資金面、技術面において多大な協力を提供してくれた。また本作品に関連して、5月には上越教育大学で開催された美術教育実践学会、6月には岐阜県大垣市で開催された日本記号学会第21大会、11月には原子力環境整備センター、12月には京都成安短期大学及び中京大学、3月12日は、日本万博記念公園などで複数会に及ぶ講演会を開催した。また8月には千葉市幕張地区で開催された国際文学会に参加した。
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