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2001 年度 実績報告書

敦煌写本の書誌に関する調査研究―三井文庫所蔵本を中心として―

研究課題

研究課題/領域番号 12610068
研究機関独立行政法人国立博物館京都国立博物館

研究代表者

赤尾 栄慶  独立行政法人国立博物館京都国立博物館, 学芸課, 保存修理指導室長 (20175764)

研究分担者 富田 淳  東京国立博物館, 学芸部東洋課, 中国美術室長 (20227622)
樋口 一貴  (財)三井文庫, 学芸研究室, 学芸員 (60281599)
石塚 晴通  北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (10002289)
清水 実  (財)三井文庫, 学芸研究室, 主任学芸員 (40250021)
キーワード三井文庫 / 敦煌写本 / 張広建 / 書写の形式 / 書写年代
研究概要

三井文庫所蔵の敦煌写本のうち、初年度未調査であった50件について、それらの料紙・書風・字体や書写の形式を調査し、書写年代に問題のない写本については、一紙ごとの法量や界高・界巾など採録可能な書誌データを詳細に収集した。
唐時代八世紀前後の写本に優品が多く存在することが明らかとなり、中でも景龍二年(七〇八)の『大般涅槃経』巻第七は、奥書より書写の経緯や結縁者名なども知られる点で貴重であり、八世紀初頭を代表する一巻であることがわかった。書写の形式としては一紙二十八行の書写という唐時代の写経の規格にかない、八世紀前後の写経料紙の特徴である簀目が読みとりにくい料紙を使用しており、これが大英図書館スタインコレクション中の巻第十(S2136)の僚巻であり、現在同一セットの経巻としてはこの両巻のみが知られていることを確認した。この三井文庫本は表紙が失われているものの本文は首尾完存しており、首尾完存しているものが比較的少ない敦煌写本のなかでも貴重な遺巻であることもわかった。
旧蔵者は中国の敦煌写本の収集家の一人として知られる張広建であり、この景龍二年(七〇八)の『大般涅槃経』巻第七など8件の写経が「合肥張〓伯蔵」として、1924年(甲子年)に北京・宣武門外の江西会館で開催された「甲子年江西賑災書画古物展覧」に展示されていたことを資料で確認した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 赤尾栄慶: "関於偽写本的存在問題"『敦煌文献論集』遼寧人民出版社. 39-44 (2001)

  • [文献書誌] 石塚晴通: "敦煌写本的問題点"『敦煌文献論集』遼寧人民出版社. 45-50 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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