研究課題/領域番号 |
12610069
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研究機関 | 東京国立文化財研究所 |
研究代表者 |
井手 誠之輔 東京国立文化財研究所, 情報資料部, 主任研究官 (30168330)
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研究分担者 |
板倉 聖哲 東京大学, 東洋文化研究所, 助教授 (00242074)
宮崎 法子 実践女子大学, 文学部, 教授 (20135601)
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キーワード | 宋元仏画 / 高麗仏画 / 船載仏画 / 南宋仏画 / 杭州 / 寧波 / 天台宗 |
研究概要 |
日本には、中世以来、数多くの宋元時代に制作された仏画が舶載され伝来している。一方、戦後の研究のなかで朝鮮半島の高麗時代に制作されたと認知されてきた仏画にも、じつは、中国製とみとめてよい作例も含まれている。本年度は、まず、高麗仏画と宋元仏画の違いを明確にすることにつとめるために、一部、高麗仏画の有力な作品の調査をふくめて研究を行った。また、今後、2年間の調査研究を遂行するためには、宋元仏画の多様性の大枠を提示する必要があるため、南宋仏画における杭州と寧波地域との差異と共通を、天台宗関係の画像を中心に分析した、さらに、南宋仏画と元仏画との違いが、仏教と道教との習合の過程と密接な関係をもつ点に求められることを考えた。いずれも、井手誠之輔『日本の宋元仏画』(至文堂、2001年3月)に、その成果を発表している。日本に舶載された宋元仏画の所在情報は、研究分担者との協議をとおして、すでにデータベース化を完成しており、次年度以降の調査、および写真撮影の指針を立案することができた。
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