今年度は、change blindness事態を利用して、注意がない(別の部位に向けられている)状態でどのような刺激特徴を検出可能かを調べた。change blindnessとは、フリッカーする刺激布置で、布置の一部に変化が生じてもその変化になかなか気づかないことから、そう呼ぼれている。つまり、change blindnessでは、注意を変化の生じた場所に向かない限りその変化は検出されにくい、とされている。しかし、この研究で、そうした検出の困難さは、刺激布置を単純化した場合には注意を一点にむけるように別課題を課しても、特定の条件でしか見られないことを見出した。つまり、注意がある一点に向けれていても、なおかつ OBJECTの置換、位置の変化、構図の変化などは容易に高い正確さで検出できた。このことは、注意によらない刺激の自覚が可能であることを示している。
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