研究課題/領域番号 |
12610101
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研究機関 | (財)労働科学研究所 |
研究代表者 |
鈴木 一弥 (財)労働科学研究所, 研究部, 研究員 (90291898)
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研究分担者 |
坂野 純子 (財)労働科学研究所, 研究部, 研究員 (70321677)
前原 直樹 (財)労働科学研究所, 研究部, 研究部長 (60165660)
北島 洋樹 (財)労働科学研究所, 研究部, 主任研究員 (20234255)
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キーワード | ヴィジランス / 眠気 / 瞬目 / 自動車運転労働 / 夜勤 / 眼球運動 |
研究概要 |
1.ヴィジランス作業における瞬目、眼球運動の分析 眼球運動を必要とする単調課題を設定した実験データに対し、EOG法による眼球運動、心拍、脳波、パフォーマンスの分析をおこなった。眠気の基準変数として5段階の表情評定を5秒ごとに実施し、各生理指標との相関分析を実施した。単独の指標としては瞬目の持続時間が眠気をよく反映した。眼球運動の速度やそのばらつきと眠気との相関が観察された。重回帰分析による眠気の予測を試みた結果では、瞬目持続時間、心拍(30秒ごとの最小値)、水平眼球運動の低周波成分の3指標による予測が有効であった。眼球運動潜時等に関する分析を継続中である。 2.大型トラックの夜間長距離走行における眠気の生理指標、眼球運動指標による分析 実作業場面として、大型トラックの夜間長距離走行時の眠気を取り上げた。職業ドライバの夜間長距離走行においては、眠気を誘発しやすい作業の特性、昼夜逆転によるサーカディアンリズム性の眠気、長時間労働などの諸要因によって、眠気による安全上の問題が深刻なものとなっている。職業ドライバによる徹夜の高速道路走行(22:30〜6:00)のデータを使用し、眼球運動、瞬目、心拍、運転パフォーマンス、および眠気と疲労に関する主観評定を分析した。個人差も顕著であったが、瞬目持続時間等の指標において、深夜から明け方にかけての強い眠気が観察され、その際、頻繁な副次動作(運転動作以外の手足の動きや顔面の動き)とともに主観的な強い眠気の訴えがあった。表情評定を基準変数とした生理反応による眠気の予測の試みた結果では、走行状況を考慮することによって予測がより有効になることが示された。疲労・眠気の指標の一つである副次動作の定量的分析や眼球運動指標の分析によって、夜間走行の眠気の推移、休憩による回復の過程等に関する検討を継続している。
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