研究課題
平成13年度に実施した質問紙調査の結果を分析し、地域防災体制の促進因と抑制因を検討した。分析の結果、防災組織の責任者やメンバー、行政担当者の意欲の高さが防災体制の進展を促進している一方で、地域特性や防災活動と仕事との両立などの、住民では解決できない問題が抑制因となっていることが明らかになった。また、地域住民以外の避難民を引き受ける避難所計画のあり方も議論された。調査結果をふまえて、仙台地区において、災害ボランティアリーダー研修における訓練ワークショップの企画から実施までに関わり、地域ボランティアの養成に関するアクションリサーチを行った。同訓練では、広域災害生起時の避難所運営を課題解決型のロールプレイによって訓練することが試みられた。神戸市では、地域の自主防災組織(防災福祉コミュニティ)の一地区の防災活動に協力しながら、参与観察と効果測定を行うアクションリサーチの準備を行った。日本社会心理学会第49回大会、日本グループダイナミックス学会第50回大会において、成果を発表した。さらに、3年間の研究成果を報告書としてまとめた(今後、全国の地方自治体の災害担当セクションへ発送する計画である)。