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研究全体の目的は、(1)覚醒・注意、(2)同時処理・継次処理、(3)プランニングの3つのシステムの認知機能を診断する包括的な神経心理学的検査の開発と、その発達障害児における有効性の検討である。今年度は、(1)前年度(2000年度)に作成した覚醒・注意システムの検査(以下、注意の神経心理学的検査)の各検査バッテリー(幼児用検査:聴覚性持続的注意検査(「楽器」、「お話」、「ピアノ」の3種類の検査)、選択的注意検査(「動物ストループ検査」)、学童用検査:聴覚性持続的注意検査(「お話」、「ピアノ」の2種類の検査)、視覚性持続的注意検査(「かなひろい」(無意味文字と物語の2種類の検査)、「抹消」(文字の抹消と数字の抹消の2種類の検査)、選択的注意検査(「文字ストループ」、「トレイル・メーキング」))について、健常児(4歳;9名、5歳;11名、6歳;10名、6〜8歳;9名、9歳;7名、10歳;15名、11歳;7名、12歳;12名)を対象に発達的検討を行い、各検査バッテリーの妥当性・有効性を検討した。その研究成果については「注意の神経心理学的検査とその健常児における検討」(埼玉大学教育学部紀要・教育科学III、51(1)、2002)にまとめた。(2)知的発達遅滞児2名について養護学校での支援の方法を検討する目的でこれまでに作成した神経心理学的検査を実施し、背景にある認知情報処理過程を分析し、授業におけるつまずきの原因や行動との関連について検討した。その研究成果については、「発達障害児の理解と支援への手だて-知的発達遅滞児2名についての神経心理学的検査の結果を通して-」(埼玉大学教育学部紀要・教育科学、50(2)、2001)にまとめた。(3)新たに、注意欠陥多動性障害児7名について、これまでに作成した神経心理学的検査を実施し、神経心理学的評価を行った。
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