研究課題/領域番号 |
12610115
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
亀口 憲治 東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (10091240)
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研究分担者 |
大矢 泰士 東京大学, 大学院・教育学研究科, 助手 (30323463)
堀田 香織 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (10251430)
沢崎 俊之 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (30226063)
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キーワード | 学校カウンセリング / 心理教育プログラム / 総合学習 / 心の教育 / 集中度 / 臨床心理学入門 / 中等教育学校 / 教育ニーズ |
研究概要 |
本研究で開発を意図している「総合的心理教育プログラム」とは、「総合学習」と「心の教育」という本来は別個の教育的文脈から発生した学校教育における重要課題を統合し、同時に達成しようとする発想に基づく一連の教育プログラムの総称である。制度化が進む学校カウンセリングにおいても、教師との連携を促進するうえで、重要な役割を果たすことが期待されている。 研究代表者がスクールカウンセリングを実践している東京大学教育学部附属学校は、平成12年4月より中高一貫の中等教育学校として再出発したばかりのところである。研究代表者らは6年生(高校3年生)の選択科目として新設された「臨床心理学入門」という授業を、附属学校教官や複数の教育学研究科所属の院生、大学院研究生等とともにチームを編成して担当している。多様な教育ニーズを持っていることが予想される現代の高校生を相手に、毎週100分(2コマ)の授業を手作りの教案や教材を使って進めていくことは、臨床心理学やカウンセリング心理学を専門とするわれわれらにとって、また、附属学校の教官や教育学研究科の院生にとってもきわめて刺激的で挑戦的な協働作業の場となっている。 その実践過程は、毎回ビデオに記録され、計21回の授業場面のなかから特徴的なものを選択し、ビデオ教材として作成した。また、生徒のストレス度、集中度、不安度を数回調査し、プレ・ポスト比較によって、授業の効果を統計的にも検証した。その結果、当初はこのような授業が役に立つと思っていなかった生徒が、授業終了後の判定では、顕著に集中力が増していることが実証された。また、もともと興味を持っていた生徒では、不安感が顕著に低減する効果も確認できた。
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