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2000 年度 実績報告書

日本における文化接触研究の集大成と理論化

研究課題

研究課題/領域番号 12610118
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

箕浦 康子  お茶の水女子大学, 人間文化研究科, 教授 (20135924)

キーワード異文化体験 / グロードリゼーション / 研究交流 / 国際比較
研究概要

本年は、2年の研究計画の第1年目で、文化接触研究の最近の動向について調査した。
(1)カナダ政府の派遣で関西学院大学に滞在中のジョン・ベリー教授を東京に招き、2日にわたり日本の文化接触研究者と共同討議の場をもった。研究交流の成果は、2つあった。
カナダへの移民の文化適応研究から出された彼の異文化適応のASIMモデル(Assimilation,Separation,Integration,Mariginalization)についてわれわれは間違った理解をしていたこと、もう一つは、特殊日本的な事象としてレポートされてきた日本での異文化体験を、もっと世界的なパースペクティブのなかに置く必要性を認識した。中国残留婦人人や孤児の日本社会への帰還に伴う問題は、日本特有の問題と考えがちだが、戦争とその後の国交未回復のために自国へ帰れなかったロシア領有地に留まったフィンランド国籍の人の問題とほぼ重なる。インドシナ難民の異文化適応については、現在、10カ国でのインドシナ難民とその子どもの世代が研究されていることがわかった。
(2)ストックホルムで開かれた世界心理学会の席上で、アメリカに渡ったブラジル人家族、特に夫婦の役割期待がアメリカ文化と接触することでどのように変わるかの研究に接し、在日ブラジル人家族を比較研究する視点を得た。また、スエーデンから世界各地に出かける国際ビジネスマンとその家族の研究をしているトローブリオン教授とアンデルセン博士との研究懇談で、親の国際間移動に巻き込まれる子どもの異文化体験の類似性を発見した。
(3)日本の下層に位置づけられていた従来のニューカマーとは違う、教育水準の高いエリート層の韓国人や中国人が最近は多く来日している事実が明らかになった。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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