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2001 年度 実績報告書

発達性協調運動障害の診断評価と類型化に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 12610129
研究機関広島大学

研究代表者

七木田 敦  広島大学, 教育学部, 助教授 (60252821)

研究分担者 安井 友康  北海道教育大学, 教育学部・岩見沢校, 助教授 (00260399)
キーワード発達性協調運動障害 / 不器用 / 運動発達 / 診断 / 幼児 / 評価法
研究概要

本研究では,発達性協調運動障害について,Wall(1982)の定義に従い「知的な点や神経筋系に問題がみられず,他の面では通常の能力であるが,文化的規範にかかわらず,運動パフォーマンスの実行に不正確さを示す子ども」とした。先行研究において,発達性協調運動障害がなかには子どもに何らかの困難を引き起こしていること,また将来においても影響があることが示唆しており,具体的な介入などの対応が早期から求められる。発達性協調運動障害の状態像の解明には,幼児期の発達性協調運動障害の様相を詳細に分析する必要がある。そこで本研究では運動検査バッテリーとチェックリストから構成されているM-ABCを用い,4-12歳を対象に,幼児や学童の運動協応性を測定することを目的とし実施した。下位検査の粗点成績を調べたところ,本検査が運動協応性の発達検査の特徴をもつことを示唆しており,また運動発達困難のスクリーニング検査として使用できることが示唆された。このようにM-ABCは2つの特徴をあわせもつが,使用する目的や用途に応じて,各下位検査を区別して考える必要がある。作成した独自の換算尺度で換算された合計値である総合I-Scoreが下位15%域であった子どもは,計24名であり、全体の17.3%にあたった。この数値については先行研究と比較しても、高いものであった。M-ABC検査バッテリーの信頼性については,検査を実施してから2週間後に,再検査を実施した全ての項目で,子どもの成績が同じ換算得点であり,検査自体として一定の信頼性が保たれていることを示されていた。
得られたM-ABCのデータより、発達性協調運動障害の類型化を試みたところ、(a)粗大運動に課題のあるグループ、(b)微細運動に課題のあるグループとに二分されることが明らかとなった。教育的な介入の場では、このような発達性協調運動障害の特性をもとに指導プログラムを構成することが必要となってくる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 七木田 敦: "保育園における「ちょっと気になる子ども」の観察事例に関する記述 -不器用さの目立つA児の変容過程-"幼年教育研究紀要(広島大学教育学部). 22. 71-77 (2000)

  • [文献書誌] 増田貴人: "幼児期における不器用さについて -M-ABC検査バッテリーの結果から-"日本特殊教育学会第39回大会発表論文. 358 (2000)

  • [文献書誌] 七木田 敦: "幼児期のおける発達性協調運動障害のアセスメントに関する検討"第47回日本小児保健学会講演集. 404-405 (2000)

  • [文献書誌] 水内豊和: "幼児期における発達障害のアセスメント適用に関する研究"小児保健研究. 61・1. 44-51 (2002)

  • [文献書誌] 七木田 敦: "幼児期における身体的不器用さの運動反応課題による検討 -「反応スティック」課題の各試行間の成績の変化-"広島大学教育学部紀要,第三部(教育人間科学関連領域). 51. 56-63 (2002)

  • [文献書誌] 増田貴人: "ボールのスキルからみた幼児期における身体的不器用さ -「お手玉受け」課題の分析から-"教育学研究紀要(中国四国教育学会),第一部. 48. 56-63 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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