研究概要 |
ふれんど事業の一環として,不登校生徒を対象として7月に室戸市え実施された2泊3日の"マグロ漁船体験"においてさまざまな体験活動を準備した。これらの体験活動を通していかなる「気づき」が経験されたか、自己主体的に学ぶ学習過程の評価の視点から,以下のような自己評価形式の尺度項目が体験活動実施後に評定された。1)体験活動での自己主体性の評価,2)学習集団への所属感の評価,3)他者承認の感覚の評価,4)自己責任性の評価,5)進歩の意識の評価,6)自我関与の評価。あわせて,「気づき」尺度を,以前の体験学習の事後調査において収集した生徒の作文より,自己についての気づき,社会についての気づき,他者についての気づき,仲間についての気づき,などから作成し自己評定させた。さらに体験についての感情を,楽しい・緊張・嫌だった・興味・不安・期待などから測定された。結果,事前の感情がポジテイブな者は,体験による気づきも多く主体的な学びがなされており体験学習の事前指導でポジテイブな情緒経験をもたせることが重要であることが示唆された。また,わずかながらであるが、他者や社会などの人に関する気づきは,集団への所属感や他者承認の感覚などを高めていた。学校に登校していない生徒にとっても,体験活動によって他者や仲間への意識や感覚が高められることは,重要な意義があると考察された。
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