研究概要 |
本研究の目的は、小学校高学年から中学生にかけての進学過程における児童・生徒の時間的展望と学校への心理的適応との関連について検討することである。 研究の2年度にあたる本年度は、昨年度と同じように6〜7月に第1回の調査をおこない、小学校4〜6年生および中学校1〜3年生2,261名の調査データを収集した。調査内容は昨年度と同じ質問項目であり、毎日の生活の様子、自尊心、学校での勉強や友だちのこと、不定愁訴、時間的展望などであった。得られた結果から、昨年度の2回の調査とほぼ同じ傾向が認められ、小学生に比べて中学生の方が、自分自身が現在送っている生活に対して否定的であるだけでなく、これから先の未来の生活に対しても肯定的な感情を持ちきれない傾向にあることが明らかになった。学校別にも分析をおこない、特徴を抽出し、その結果を個別の小中学校にレポートして報告した。さらに、2〜3月に第2回の調査をおこない、現在、回答済みの調査用紙を回収している最中である。 これまでに収集した調査データにもとづいて、本年度は、日本心理学会、教育心理学会、ISLMなどの学会で研究発表をおこない、上述した学年を独立変数とした変化傾向や、学業成績の自己評価を独立変数とした時間的展望の差異傾向について報告した。
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