研究概要 |
本研究の目的は、小学校高学年から中学生にかけての進学過程における児童・生徒の時間的展望と学校への心理的適応との関連について検討することである。 研究の3年度目にあたる本年度は、これまでの2年間と同じように、6〜7月に第1回調査を実施し、小学校4〜6年生および中学校1〜3年生、2,200名の調査データを収集した。調査内容は、これまで2年間と全く同じ質問項目だった。すなわち、毎日の生活の様子、自尊心、学校での勉強や友だちのこと、不定愁訴、時間的展望だった。得られた横断的結果は、これまでの2年間の調査結果とほぼ同じだった。中学生は小学生よりも、現在の生活に対して否定的な意識を持つだけでなく、これから先の未来の生活に対しても肯定的な感情を持ちきれない傾向にあった。2〜3月にも本年度第2回目の調査を実施したが、現在、回答済みの調査用紙を回収している最中である。 これまでに収集した計5回の調査データにもとづいて、縦断的な分析を順次おこない、本年度は日本教育心理学会、日本心理学会、ISSBDなどの学会において研究発表し、中学校入学前の不安・期待の感情と入学前後の時間的展望との関連、勉強の理解度の変動と時間的展望との関連について報告した。
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