本年度は、平成12年度〜13年度に行われてきた、学校教師(小学校教諭、中学校教諭、高校教諭、養護教諭)による事例研究会の成果をまとめる作業を行った。これまでの事例研究会において、10の事例が報告され、学校教師と共に研究代表者が臨床心理士として加わり、討議・考察を行ってきた。 (1)4月〜7月 研究代表者が、これまでの研究会の録音テープなど資料を再検討し、各事例の問題やテーマならびに報告者である教師の体験の内容を個別に抽出した。 (2)8月 これまでの研究協力者である学校教師らと会議をもち、研究成果を報告書にまとめる作業計画を検討した。そこで、各教師に1事例を改めて文章化することにした。また、各報告担当者以外の教師が、事例に対してコメントをすることとし、研究代表者は臨床心理士の立場からコメントをすることを決めた。 (3)9月〜12月 電子メールによって、各教師が担当の事例報告を文章化し、研究代表者ならびに他の教師に送付した。それを受けて、コメントが文章化され、各メンバーに送付された。こうした作業が、4事例について行われた。 (4)1月〜2月 研究代表者が、(3)の事例報告とコメントをベースに、これまでの事例研究会の経過や、目に見えにくい教師のカウンセリング的な個別的な関わりについて論究した。最終的な論点としては、(1)教師の体験を資料として重視すること、(2)教師の関わりへの本気さを、建前論ではなく、事例を通して明らかにしたこと、(3)教師の限界を認識していく姿勢が、逆にこうした目に見えにくい関わりの成果を浮き彫りにすることがあげられる。 (5)2月 研究成果報告書の印刷・製本を行った。
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