昨年度に実施した老人大学受講生への講義終了後のワークショップ参加者に対して追跡調査を行い、死の準備学習支援プログラムの評価を行った。追跡調査はワークショップ終了後6か月後に、郵送で行った。半構成質問紙で、自由記述で記入を求めた。8人(23.5%)より回収された。 ワークショップ参加後に死の準備に関して行ったことや変化について(1)気持ちの変化:近いうちに訪れるだろう死に対して心の準備をしなければと思った、最期まで尊厳ある生活を送りたいという気持ちが強まった、頭では考えている、変化なし、 (2)考えたこと:過剰な延命処置は望まない、日ごろからの言動で家族は希望は理解していると思うが、一度まとめようと思う、遺言状を書かねばと思った、死の準備という考えに違和感、 (3)感じたこと:ホスピスのある病院が良いと感じた、介護保険料がどれくらいかかるか、丈夫な時間をできるだけ長く保つ、心安らかに受け入れられるようにくいのない人生を送る (4)行動したこと:身辺整理、病気の兄弟を見舞う、延命処置をしないように文書を医師と家族用に書いた、子供や兄弟に延命治療の話をした、葬儀の話をした、ホスピスを見学に行った、 (5)家族に行ったこと:延命処置をしないように文書を書いてあると伝えた、最期の処置を家族は慣れないので、病院入院がいいと伝えた、別になし (6)死の準備教育として大切と思うもの:特に必要ないと思う、アウトラインが書かれてあると家族は助かる、その時々の患者の心理状態が理解できるものが必要、ホスピスについて詳しく知ることが必要、 このように、死の準備学習についての講義、ワークショップでの体験学習、その後の追跡調査より、高齢者は死の準備について考えたり、行動が促進される事が見受けられた。さらに、その体験を次年度のワークショップで人に伝える役割にも参加があり、本プログラムは死の準備学習を促進すると評価できる。
|