1.大都市近郊地域の事例として、埼玉県蓮田市を対象として取り上げ、同地域の各種文書資料の収集及び整理を行った。主な収集資料は次の通りである。埼玉新聞(蓮田市域関係記事1945年以降分)・各種広報(蓮田町・蓮田市・黒浜村1945年以降分)・蓮田市自治連合会総会関係資料(1970年以降分)・蓮田市自治会関係資料(農村地区・住宅地区各1)。また蓮田市の自治会及び婦人会の役職者を対象として、聞き取り調査を行った。さらに蓮田市の全自治会(100自治会)会長を対象として、質問紙による活動内容に関する聞き取り調査を行った(回収94自治会)。現在収集資料の整理及び調査データの集計を継続中であるが、同地域では1970年代を境にして、住民団体の構成や活動に変化が見られることが明らかとなった。 2.山間農村地区の事例として、福島県矢祭町を取り上げ、宝坂及び中石井地区における区有文書および地元ミニコミ紙の収集(コピー及び写真)及び整理を行った(収集文書326点)。また宝坂地区において、役職者への聞き取り調査及び家族・近隣関係についての世帯調査の補充調査を行った。現在収集資料の整理及び調査データの集計を継続中であるが、同地域では1980年代を境にして住民の近隣関係に変化が見られ、家関係よりも個人的な選択的関係が重視されるようになっている。 3.なお上記二地区のほかに、過去にデータ収集を行った千葉県市川市原木地区(大都市近郊地域)及び千葉県安房郡三芳村山名(山間農村地域)を比較事例として取り上げ、両地域における既収集資料(区有文書)の整理を行った。
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