本年度は、女性雑誌の編集者に対するインタビュー調査、読者のインタビュー調査の試し、それらのテープ起こしと基礎分析、本研究テーマに関わる文献の収集と分析をおこなった。インタビュー調査は、『女性自身』の横田氏、『JJ』の牛木氏、『ハナコ』の椎名氏、『クラッシイ』『ヴエリイ』の並河氏、『アンアン』の淀川氏などに調査を依頼、インタビューをおこない、分析をすすめている。読者インタビューのほうは、お茶大の学生数名に、プレ調査をかねてインタビューをおこなった。また、8月末には、アメリカ、ニューヨークにてELLE社の編集者などとのインタビューをおこなったほか、ロマンス小説の分析で世界的に有名な、デューク大学のジャニス・ラドウエイ教授と会い、女性文化の研究についての意見交換をおこなった。また、ノースカロライナ大学では、同大学のバスリー教授の依頼で、日本の女性雑誌とアメリカの女性雑誌の比較について講演、同教授のゼミ学生と討論をおこない、日米の雑誌や読者の違いについて知見を得ることができた。 本年度は、インタビューの分析のほうは、まだ公開できる段階にないが、文献を中心とした分析の一部を論文としてまとめた。平成13年度に出版される『お茶の水女子大学紀要』に、「女性雑誌にみる『女の子』の成立」として掲載される予定である。
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