研究課題
基盤研究(C)
保健活動と福祉活動の連携方法を探る目的で研究を開始したが、福祉活動の最も利用者に近いところで活動する介護福祉の地域福祉における意義が研究の中心となった。また地域福祉が在宅福祉ととらえられている傾向があるので、再度検討し直し、地域で求められている介護福祉とは何かを実態調査を基に検証した。結果として以下の点が得られた。1.高齢者福祉においては、施設介護も地域福祉の一端を担っていく可能性がある。特に介護保険施行後家族の要望を受け止め、施設介護も家族との連絡を密にしていく必要性が生まれている。2.介護福祉の概念は、社会福祉の動向からみていくと「日常生活」に着目し援助していくことになるが、「日常生活」の捉え方、「自立支援」は対象となる人によって異なる。高齢者と障害者では違った枠組みでとらえられる。また、地域福祉の概念として「つながり」の再構築という捉え方が重要となってきた。3.実際の訪問介護の実践から介護援助をとらえると、日常生活の具体的な援助内容が見えてきた。介護概論の中の身体的生活・家事的要素・社会的生活の援助が総合的に行われていた。総合的に日常生活援助を行うにあたり身体介護・家事援助の分類が適切でない場合があった。また、実践内容を積み重ね分析することにより介護福祉概念の根拠となりうる。以上の結果から保健活動と福祉活動の連携を探るためには、新しい学問分野である介護福祉の役割を明確にすることが重要であった。
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