平成12年度は、「沖縄タイムス」「宮古新報」「八重山毎日」の沖縄県の三地域の地域の主要日刊紙をサーヴェイしながら、沖縄の環境対策の動きを追跡するとともに夏期休暇期と春期休暇期(2月・3月)にフィールドワークを行い、各島のリサイクルの現状を聞き、また行政等の資料収集に務めた。今回新たな動きが出てきたのは、離島部でも、回収バージ船を出してゴミをリサイクルする提案が沖縄県から出されたなされたこと、また、大手スーパーが独自の商品搬出ルートを使って、八重山のゴミの回収に一役買う動きが出てきたこと、宮古地域では平成14年度から「ゼロエミッション社会の形成推進に関する調査」が宮古支庁を主管に行われだしたことである。とくに宮古地区では、風力発電による地球温暖化防止対策、地下ダムとの関連から有機系廃棄物の有効利用検討、地下水の保全など、ゼロエミッションへの取り組みが形をなして出てこようとしている。 来年度は、新地方自治法制定後の当地での影響に注意を払いながら、どの様な地域環境モデルを八重山地区と宮古地区は作れるのかを、行政・議会・水道局・NPO等を追跡しながら考察する。沖縄県内でも地域により、環境問題は異なり、行政の対応、環境モデルづくりも異なる。各地域の異同と、県・国との対応を検討し、各地域独自の環境に考慮した内発的発展モデルが構築できるかを考察していきたい。この成果は、淑徳大学の『国際文化・経営研究』等にまとめるとともに、環境社会学会で口頭および論文で発表を行いたい。また、地元新聞にも何らかの形で研究の成果を還元したいと考えている。
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