最終年度にあたる14年度はこれまでに実施してきた調査研究の補充と総括を行うことを目的に研究に取り組んだ。 まず、13年度中に実施した東京都足立区の「学童保育室」の保護者と指導員を対象に実施した調査の分析を行った。これは54室中40の学童保育室を無作為抽出し、1588人の保護者に指導員通しで調査票を配布し、回答者各々から研究代表者・分担者の在籍大学に郵送で返却してもらったものである。有効回収数は707票。指導員調査は同じ40室の指導員200人に回答を依頼、有効回収数は92票であった。回答保護者の子どもの学年は1年生49%、2年生35%、3年生17%。全体の分布とのずれは小さい。母親の過半数が常勤の仕事、4割強がパートタイマーで、無職は1%に満たない。9割弱が核家族世帯であるため学童保育はこれらの保護者にとっては不可欠となっている様子がわかる。一方、指導員は、平均約4年程度の指導員経験者で、平均40歳代後半の女性である。学童保育の長所・短所等をたずねると、学童保育のよい点は親が安心して働けること、子どもがいろいろな遊びを覚えたり行事に参加できること、年上や年下の子と遊べること、学校や家庭と異なる集団生活を体験できること、等が多く選ばれた。指導員と保護者の違いは小さい。この他の質問とあわせて学童保育観を探った。 質問紙調査の分析と併せて、全国の学童保育と自治体の特徴との関連分析、全児童対象の放課後教室についての考察もあわせて行い、報告書を作成した。
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