研究課題/領域番号 |
12610198
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研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
前納 弘武 大妻女子大学, 社会情報学部, 教授 (60123030)
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研究分担者 |
岩佐 淳一 茨城大学, 教育学部, 助教授 (10232646)
炭谷 晃男 大妻女子大学, 社会情報学部, 教授 (90196915)
飯田 良明 千葉経済大学, 経済学部, 教授
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キーワード | 情報化 / 情報社会 / 情報ネットワーク / 地域情報化 / タテ型組織 / ヨコ型組織 |
研究概要 |
平成13年度は、昨年度に実施した基礎的かつ理論的な研究を踏まえて、応用研究のひとつの試みとして、実際にフィールドワークを行う計画であったが、基礎的・理論的研究の取りまとめに予想以上に時間と労力を要したこと、これに加えて、昨年の秋以降の世界情勢の激変のために、国際的な比較研究(特にアメリカ)にフィールドを求めること断念せざるを得ず、これまでの「情報化」をめぐる論点に関して、その整理に多くの時間を費やすこととなった。その結果、個々の共同研究者それぞれ、いくつかの論文に昨年来の研究成果を反映させることができた。先ず、研究代表者は、わが国における情報祉会論に関する1960年代からの議論の流れを、産業論的情報社会論・メディア論的情報社会論・消費祉会論的情報社会論・社会情報論的情報社会論の4つの系譜に整理し、昨今の情報化社会に関する議論を、机上の議論からより実証的な研究に移行させる必要性を論じた。また、今目における情報社会がこれまでとは異なった情報空間から成り立ち、その特質を「コミュニケーショシ空間」と「シミュレーション空間」の二面性から把握する視点を提起し、本研究の前提となる議論に資すことができた。さらに、研究分担者の飯田良明は、昨今の情報化の進展が人々の政治意識にいかなる影響を与えているのかという主題を追求し、その理論的な研究と、他方、その応用的な具体的事例として、日本政府も選択しようとしている電子政府の方向性が孕むいくつかの問題点を提起する論文を公にした。また、今年度から研究分担者に加わっだ岩佐淳一は、地域社会レベルでの情報化が、政治組織や経済緋哉にどのような影響を与えるものであるかというテーマに関して、そもそも、地域情報化という概念、が原理的に有しているアポリアの析出に貢献する論文を草した。今年度のこれらの研究成果を、次年度は、当初想定した規模の縮小は否めないが、より実証的な研究作業に活かしていきたい。
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