本研究は、以下の三領域(文献研究・現地調査・研究実践)について検討を加えた。 【文献研究】:社会学的災害研究において「長期的時間軸を設定して被災者の生活再建・被災地・被災社会の変容過程を具に記録し続ける」スタンスが必要であることを、先行業績を詳細にレビューする中から検討した。 【現地調査】:古今内外の被災地のその後(数年から数十年を経た各被災地)を踏査・聞き書きする活動を蓄積して、我々調査者の眼前にひろがる状況を分節化して精査する中で、時代や国まで異なるとも、アナロジーとして把握可能な事象が多々把握された。 具体的に赴いた現地としては、以下の通り(●印が今年度の踏査地区)。 国内:雲仙普賢岳噴火災害の直接被災地・上木場 阪神淡路大震災・西宮北口駅北東地区、神戸市長田区御蔵地区●(ただし、大学の個人研究費にて) 北海道南西沖地震・青苗地区 川辺川ダム建設予定=水没地区(五木村) 不知火高潮災害被災地 三陸地震津波被災地・宮古市 桜島噴火災害の集団移転地区 国外:ニュージーランド・ダニーデン、地滑り災害● カナダ・ハリファックス、港湾爆発災害 タイ・国際河川メコン川の流域開発● ニューヨーク・マンハッタン再開発 中国・北京、胡同・四合院の再開発●(ただし、大学の個人研究費にて) 【研究実践】:防災まちづくりに取り組む国内の諸地域にボランタリーに関わり、また、防災行政の現場にオブザーバー的に関わって、本研究の成果を還元してきた。研究実践の現場は以下の通り。 ・神戸市長田区御蔵地区、まちコミュニケーションの防災まちづくり活動 ・東京災害ボランティアネットワークの防災まちづくり活動 ・文部科学省原子力防災訓練の評価委員
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