在日外国人問題の多くが、市役所その他の公的機関の積極的対応がなければ、解決が不可能である。しかし、一方多くの問題が、公的機関が対応しにくい非登録外国人(いわゆる不法外国人)に発生している。この矛盾を埋めるためには、いわゆる不法外国人を含めて支援活動を行っている民間支援団体と公的機関の何らかの協力関係が不可欠であるというの本研究の出発点であった。 調査の結果、公的機関と民間機関とは予想以上に友好的な協力関係があることが分かった。しかし、この協力関係は、どちらかといえば、民間機関から公的機関への働きかけによるという色彩が強い。この原因はなにより、いわゆる不法外国人にとって公的機関の門がほぼ閉ざされていることにある。国際交流協会のような第三セクターがこの公的機関の壁をある程度緩和するのではないかと予測したが、法という壁を守る意味では、公的機関と大差がないように思われた。多くの国際交流協会が役所から独立しておらず「仕事の分担」にとどまることが多い以上、これは仕方がないかも知れない。 なお、民間支援団体間の協力も進んでおり、全国組織の動きも、例えば、「移住労働者と連帯する全国ネットワーク」のように見られる。
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