本年度は以下の研究を行なった。 1.理論研究 メディア・フレーミング効果仮説に関する様々な文献の収集とレビュー。 2.実証研究 争点の選定:実証研究で事例として取り上げるテーマを「日本の全般的な経済状況」に決めた。一般の人びとは日本の経済のどこに問題があり、どうすればよいと思っているのか-これは輪郭がきちんと定まった問題というよりも、さまざまなレベルさまざまな側面から論じることができる複合的問題である。そして、そうした経済の状況の認識にメディア報道がどう関わっているのかが追究の焦点である。 グループインタビューの実施とまとめ:学生などを対象としたグループインタビューを行ない、結果として、最近の経済状況を理解するために人びとが用いる一つのフレームとして「新自由主義(ないしは市場主義)的フレーム」と呼べるものがあるのではないかという仮説を立てるに至った。 意識調査の実施:人びとの意識の中に新自由主義的な考え方がどこまで浸透しているかを中心テーマとして(メディア利用など他の質問も加えて)、2001年2月に意識調査を行なった。対象は東京都に在住する20歳以上の男女800人(住民台帳より層化無作為抽出)。方法は留置法。実査の部分のみ調査会社に委託した。 試行的内容分析:上記仮説に関連して、主として新聞の経済報道に関する試行的な内容分析を行なった。
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