研究課題/領域番号 |
12610207
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
浦野 正樹 早稲田大学, 文学部, 教授 (20160335)
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研究分担者 |
山西 優二 早稲田大学, 文学部, 助教授 (50210498)
臼井 恒夫 早稲田大学, 人間科学部, 助教授 (10193872)
店田 廣文 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (20197502)
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キーワード | 安全志向型コミュニティ活動 / 防災まちづくり / 防災福祉コミュニティ / 地域文化 / 地域対応力 / 危機管理 / 地域住民組織 / 再建過程 |
研究概要 |
本研究の目的は、現代社会における生活条件の変化と<都市・地域文化の生成・変転><まちづくりや地域活動等の集合的営為>の実態把握を踏まえたうえで、脆弱化する<地域対応力や危機管理のあり方>を検証し、これらの地域力を支える地域文化の可能性と安心で安全な生活確保に向けての条件づくりについての研究を進めていくことである。平成13年度は、平成12年度に進めた阪神・淡路大震災の被災地域調査(「地域類型ごとの被災から復旧に至る社会過程のモデル化」作業)を前提にしながら、個別地域(具体的には神戸市長田区御蔵地区)における社会過程を深く掘り下げ、災害復旧・復興過程で個々の業種や住民層の人たちに何が起こりどのような圧力がかかったのか、対抗力としてのまちづくりや地域活動等の集合的営為がどのように行われ影響を及ぼしえたのかを、簡易型地域GIS(地理情報システム)を活用して検討を進めた。結論として、災害時において住民はかなり長い期間共通の課題を抱えてきたように見られがちではあるが、とくに復旧・復興過程においては個々の業種や住民層の違いによってかなり早い段階から異なる圧力を受け、そこで個々の決断をせざるをえなかったこと、したがって、地域の再生力をはかるという点ではかなり早い段階での仕掛けが有効に機能しないと異なる圧力への対応で地域住民は分裂し異化作用が強まり、凝集力を喪失していくことが分かった。 また、平成13年度は、防災まちづくりや防災福祉コミュニティなど、<地域における安全志向型コミュニティ活動>の実態と活動の有効性についての調査を継続し、資料収集と活動のカテゴリー化、及び現地調査を実施した。こうした調査を通じて、それぞれの地域が、地域危険度を念頭においたうえで地域の危険要因を発見し、活用しうる資源を発掘していくプロセスを整理し、地域の学習プログラムとしてマニュアル化した。また、ある一定の地域の社会経済的構造条件を前提にしながら、地域住民による集合的な活動がどのように成立するのか、また活動の組織化過程や活動維持条件やさらにそうした活動を可能にし支えていくための制度的なしかけについても検討を加えた。なお、今年度は、外国人が混在している繁華街周辺における防災まちづくりという点で、日本語のわからない外国人を対象にしてどのような対策が必要で可能かについても検討を加えている。
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