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2000 年度 実績報告書

スウェーデンにおける高齢者福祉サービスのコミューン間格差に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 12610210
研究機関金城学院大学

研究代表者

西下 彰俊  金城学院大学, 現代文化学部, 助教授 (80156067)

研究分担者 奥山 正司  東京経済大学, 現代法学部, 教授 (50073036)
キーワードスウェーデン / エーデル改革 / コミューン / 社会的入院費支払い責任
研究概要

本年度は、1992年にスウェーデン政府が実施したエーデル改革(Adel Reformen)に焦点を当て、この改革の最大の効果とされる「社会的入院(bed-blockers)に対する抑制効果」を実証的に確認するために調査研究を行った。エーデル改革により、各コミューンに「社会的入院費支払い責任」(betalningsansvar avmedicinskt fardigbehandlade)が課されることとなった。この責任は、病院の担当医師が医学的処置終了宣言を出した後、6日目以降もコミューンの高齢患者が入院を続けなければならない場合に、患者の住むコミューン(市町村)が当該病院に対して超過金を支払わなければならないというものである。超過金は病気の種類により異なり、1日超過につき老年科疾患では1787クローナ(約23950円)、急性疾患は2475クローナ(約33165円)を病院に支払う。日本の先行研究において、この高額な社会的入院費支払い責任が、各コミューンにとり強いプレッシャーとなり、各コミューンは高齢者ケアの基盤整備に努力したので社会的入院は激減したと断定しエーデル改革の強力な効果として評価している。そこで筆者は、5月に、全288コミューンを対象に社会的入院費支払い責任の問題を中心にアンケート調査を実施した。回答の得られた168コミューンのデータを分析した結果、92年からスウェーデン政府の最終報告書が発行された96年にかけて、1コミューン当たりの社会的入院費支払い責任額は確かに減少しているので(ただし減少の規模については筆者の調査ではスウェーデン政府発表したデータの約20倍あり、この点はさらに調査すべき課題である)、筆者の調査からも改革は社会的入院に対する抑制効果を発揮したと言える。しかし、97年から99年にかけて「リバウンド現象」が発生し、社会的入院費支払い責任は増加の一途を辿っている。これらの諸問題も含め、次年度も詳細な研究を実施する予定である。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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